一般的に、引っ越しの片付けは片付け業者に頼むのがよいといえます。引っ越しするとなれば、荷物を梱包するだけではすみません。不用品と持って行く物の分別や不用品の処分、部屋の清掃などを行う必要があります。
一連の片付けを引っ越し業者に頼めるのか、専門の片付け業者に頼むべきなのかは迷うところです。なぜ引っ越しの片付けは片付け業者がよいのかについて、それぞれの業者の特性などを交えながら解説します。
引越しの片付けをどこに頼むべきかを考えるとき、引越し業者と片付け業者が浮かびます。どちらを選ぶかは、この2つの違いを知ったうえでの判断です。
引越し業者は、現在の家にある家財などを転居先の家まで運ぶ運送業者です。引っ越す荷物を家から運び出し、運送用のトラックに積み込む過程で、業務上必要な範囲の片付けをすることはあり得ますが、本格的な片付け業務は引越しに含まれません。
一方、片付け業者は文字通り片付けることがメインの業務です。また、片付ける対象物や片付けに至る原因などによって専門分野に分かれていることもあるのが特徴です。
まず、不用品回収や買取を行っている業者があります。代表的なのが廃品回収業者とリサイクルショップで、必ずしも片付けそのものを業務としているわけではありません。
不用品回収業者の場合、ユーザーがまとめて出してくれていればよいですが、いわゆるゴミ屋敷のようなケースも多いため、回収するためには部屋の片付けから行う必要が出てきます。また、買取業者であれば、業者を利用する側から見て、買取業者に物を引き渡すことで部屋が片付くというわけです。
一人暮らしの高齢者がなくなったときなど、別居している遺族などが故人の家の荷物を整理するために呼ぶのが遺品整理業者です。通常は不用品回収業者や買取業者として活動し、遺品整理の依頼が来れば遺品整理業者として活動している業者もあります。
別居の遺族には、必要な家財は少ないでしょうし、家の中に何があるのかもわからないというケースもあり、文字通りの片付けをすることになります。ただし、遺品整理業務は単なる片付けではなく、ひとつひとつ丁寧に確認しながら行われるものです。また、仕上げのハウスクリーニングまで行うことも一般的です。
ハウスクリーニング業者は、家や部屋を掃除の面から片付けるのが任務です。その過程で、邪魔になるものを片付けたり、散乱した部屋を整然と片付けたりします。
このように、片付けには不要となった物品を処分する意味と、部屋をキレイに整える意味があり、引っ越しでは両方が必要になり得ます。
引っ越しに際しての片付けを、引っ越し業者に頼めばワンストップサービスのようで手間がかかりません。
現在では、片付けも含めて対応してくれる引っ越し業者が増えています。しかし、本来の引っ越し業務とは別の業務であるため、オプションとなっているケースが多いです。
引っ越し業者であっても、オプションで料金を取っている以上は専門業者と同等のサービスを提供してくれると考えて問題ないでしょう。ただし、料金に含まれる範囲が異なることはあります。不用品回収であれば、引き取るだけの状態で請けるのか、分別や梱包まで含むのかといった点です。
簡単な内容であれば引っ越し業者のスタッフでも対応できるでしょう。しかし、引っ越し業者はあくまでも引っ越しがメインであることから、片付けについては下請け業者に委託するケースもあります。
引っ越しと片付けを別々に頼む場合のメリットとデメリットは以下のとおりです。
引っ越しは引っ越し、片付けは片付けと割り切れば、それぞれ最適な業者を好きに選ぶことができます。これが最大のメリットです。1社で両方ともベストという業者があればいいですが、異なる分野では期待薄といえます。
引っ越し業者が優良片付け業者を下請けにしているかもしれませんが、それなら直接その業者に依頼する手もあるわけです。
別々に頼む場合は、それぞれに見積もりを依頼し、交渉し、契約をするという面倒な作業が発生します。ただ、引っ越しのときだけですから、許容範囲ではないでしょうか。
引っ越し業者には引っ越しに集中してもらい、片付け業者には片付けに集中してもらう。とくに、部屋の散らかり具合、汚れ具合がひどいほど、片付けは専門業者を個別に選んで依頼しましょう。
引っ越し業者には、荷物の運送だけでなく、引っ越し先での搬入という大事な任務があります。現住所では荷造りを助けてもらう程度にして、引っ越し先での荷物の開梱や設置、そして用が済んだダンボールなどの片付けを頼むとよいでしょう。
引っ越しの荷物が出て行ったあと、じっくりと残った不用品の片付けとハウスクリーニングをすれば、キレイな部屋にして退去することができます。部屋の状況によっては、引っ越し前にしっかりと片付けておくことも必要です。
そもそも、分別しやすい不用品がいくらかある程度ならともかく、業者に片付けを頼まなければならない時点で、引っ越し当日に同時進行で片付く状況ではない場合が多いでしょう。そうすると、引っ越し業者に一括で依頼する必然性もなくなります。さらに、専門業者のノウハウとスキルが必要です。
片付け業者を頼むといっても、ゴミ屋敷のようなケースばかりではありません。片付けが苦手や人や、掃除がうまくない人、忙しくて手が回らない人などは、普段から不用品回収や部分的なハウスクリーニングを利用する手があります。
そうすることで、引っ越し時の片付けやクリーニングの負担を減らすことにつながります。また、はじめて使うわけではないため、どこに頼めばよいかもわかっているので気分的にも手続き的にも楽です。今度の引っ越しには片付け業者に依頼して、いままで住んでいた我が家をピカピカにしてあげましょう。
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